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第四章 それぞれの不整脈の特徴 脚ブロック

右脚あるいは左脚で興奮の時間が延長したり途絶したりすることを脚ブロックと呼ぶ。

症状

心臓の興奮は、正常の状態であれば、洞結節ではじまり、心房から房室結節、ヒス束を通過し、プルキンエ線維を経て心室に伝わり、心室の収縮がはじまります。

この興奮の伝導路のうち、右脚あるいは左脚で興奮の時間が延長したり途絶したりすることを脚(きゃく)ブロックとよびます。これは不完全脚ブロックと完全脚ブロックに分かれます。さらに、左脚ブロックは前枝ブロックと後肢ブロックに分けられます。

この右脚ブロックと左脚ブロックをあわせて、「心室内伝導障害」とよびます。

片方の脚ブロックが起きても、もう一方の脚から、興奮は少し遅れて心室に伝わるために、自覚症状はほとんどありません。

ただ、右脚と左脚前枝(左脚後枝)のブロックの場合は二枝ブロックとよばれます。この場合、正常な枝があと1本しか残っていないわけですが、正常な残り1本の枝に問題が生じれば完全房室ブロックになり、アダムス・ストークス症候群の症状が出ます。

右脚ブロックと左脚ブロックが交互に起こるという、「交代性脚ブロック」というものもあります。この場合でも、左右両方とも悪いわけですから、完全房室ブロックに移行する可能性は高いとみなければなりません。

原因
右脚ブロックは、明らかな心臓病がなく、学校検診や会社の検診で発見されることがよくあります。それにくらべて、左脚ブロックは、高血圧、冠動脈疾患、心筋症などを合併することが多いといえます。
治療
不完全脚ブロックは放置しても大丈夫です。また、完全右脚ブロックか左脚ブロックの片方だけであれば、自覚症状がない場合、そのまま放置します。しかし、新たに出現し、めまいや失神などの症状があれば、くわしい検査が必要となります。交代性脚ブロックや二枝ブロックがあって、めまいや失神などの症状がある場合は、くわしい検査のうえ、心臓ペースメーカーの埋め込みが考えられるでしょう。
心電図
右脚ブロックでは、まず左心室が興奮してから、遅れて作業心筋を通して右心室に興奮が伝わります。また、左脚ブロックは、その反対に興奮が伝わります。したがって、左脚、右脚ブロックとも、QRS波形は幅が広く、形が変わってきます。
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