洞不全症候群とは、自然の心臓のペースメーカーである洞結節とその周辺の異常で、興奮が出なくなったり遅くなったりする不整脈により、めまいや失神などの症状を起こすものです。
この洞不全症候群は、次の3群に分けられます。
1分間に脈が40以下になると、心臓から全身に十分な血液が送り出されず、すぐに疲れ、運動能力も低下します。
また、洞停止、洞房ブロックなどで、リリーフピッチャーの登板がないときは、心室静止となり、めまいや失神などのアダムス・ストークス症候群の発作が起こります。
また、徐脈頻脈症候群の場合、頻拍発作と洞停止が交互に起こるため、動悸と意識喪失の両方が起こり、たいへん危険な状態になります。
徐脈による症状がない場合は、治療の必要はありません。
徐脈による疲労感やめまい発作などがあるときには、副交感神経遮断薬や、交感神経刺激薬を使用することもありますが、症状をなくすもっとも確実な治療法は心臓ペースメーカーです。
また、徐脈性頻脈症候群では、心臓ペースメーカーの植え込み後に、頻脈予防のために抗不整脈薬、ジキタリス、ベーター遮断薬、ワソランなどを使用します。
洞房ブロック、洞停止では、洞結節から興奮が突然伝わらなくなるために、P波が突然消えてしまいます。
洞徐脈では、P波やQRS波は正常にあらわれますが、1分間に60以下の間隔となります。徐脈頻脈症候群では、心房細動や上室性頻拍などが出現し、それが止まったあと、洞停止になります。